ゴールを決めた後にユニフォームを脱ぎ、アンダーウェアに記したメッセージをさらした行為が、内容うんぬんに関係なくイエローカードの対象になった。そのアンダーウエァには手書きで、和訳するとこうなるスペイン語のメッセージが記されていた。

「ダニ・ハルケ、いつも僕らとともに」

 ダニ・ハルケとは2009年8月8日に、遠征先のイタリア・フィレンツェで急性心筋梗塞にて26歳の若さで急死したRCDエスパニョールのキャプテンで、イニエスタの無二の親友だったダニエル・ハルケさんのことを指す。

 1983年生まれのハルケさんはイニエスタのひとつ年上で、ハルケさんはRCDエスパニョール、イニエスタはFCバルセロナと、ともにバルセロナに本拠地を置くライバルチームの下部組織で切磋琢磨しながら成長し、ピッチを離れれば家族ぐるみで親交を深めていた。

 すでにスペイン代表で絶対的な居場所を築いていたイニエスタに追いつけ、とばかりにハルケさんも急成長中だった。RCDエスパニョールとFCバルセロナは犬猿の仲で有名だが、イエローカードをもらうのを覚悟のうえで、イニエスタが亡き友の存在を世界中に発信したメッセージは、すべての垣根を超えて感動の涙を誘っている。

2017年度ヴィッセルは1億5500万円の赤字
債務超過ならJリーグのライセンス剥奪の危機に

 プレーだけでなく、ピッチを離れた人間性の部分でも崇高な一面を持ち合わせているイニエスタは5月24日に緊急来日し、東京・港区内のホテルで行われた記者会見でヴィッセルとの契約書にサイン。覚えたての「コンニチハ」という日本語に続いて、こんな第一声を届けている。

「私にとって、今日は本当に特別な日です。私のキャリアにとって、とても重要なチャレンジです。日本は私の大好きな国です。素晴らしい国にいることをとても嬉しく思うし、私も、そして私の家族も少しでも早く日本の文化に慣れ、過ごしていけるようにしたい」

 再び日本語で「アリガトウ」と第一声を締めたイニエスタの契約は3年、注目される年俸は日本円で32億5000万円(推定)とされている。四半世紀を迎えたJリーグの歴史上でも、年俸は桁がひとつ異なる突出した金額であり、必然的にヴィッセルを経営する楽天ヴィッセル神戸株式会社(本社・兵庫県神戸市中央区、代表取締役社長・立花陽三)の経営にも注目が集まってくる。