営業部長さんはいつもエネルギッシュで油ギッシュです。
彼の中のずんずんさんへの親密度が上がったのか、最近呼び捨てなのが割と気になっていましたが、ずんずんさんは、営業部長さんに今年のお給料が据え置きの話をして、それにがっかりしていることを伝えました。
営業部長さん 「うーん、ずんずんはいつも夜遅くまで頑張ってたからねぇ…僕いつも見ていたよ!!」
え…?
死に体のところにそんなことを言われて、ずんずんさんは図らずも
きゅんっ
としましたが、まぁ営業さんだしな、
と0.5秒でクールさを取り戻しました。
営業部長さん 「まぁここだけの話なんだけど、全社員給料据え置きってあったけど、僕は上がったけどね」
営業部長さんドヤっとそう言いました。
えっ、とずんずんさんは驚きました。
確かにメールには「全社員据え置きです☆」とありましたが、
後に小さく「でも一部の社員は除きます」とあったような…
おぉ…なんということでしょう。
特権階級がここにいる…
ずんずんさんは、目を丸くしました。
いつも良くしてくれる営業部長さんがなんだか別人に見えます。
あら、やだ… ちょっとカッコいいかも…
そんなずんずんさんを見て、営業部長さんはクールに笑いました。
営業部長さん 「ずんずん、君のお客さんとは誰だと思う?」
ずんずんさん 「え…? お客さん???? 私にはお客さんなんていませんよ?」
突然の営業部長さんの質問に、ずんずんさんは首をかしげました。
ずんずんさんは営業さんではありません。
なのでお客さんなど、いるはずもありません。
「甘いな」
営業部長さんは笑いながら首を振りました。
「自分のサービスを提供する人、上司であれ同僚であれ、その全てがお客さんなんだ」
!?
営業部長さんの言葉を聞いて、
ずんずんさんは雷に打たれたような衝撃を受けました。
自分の関わる人が全てお客さん!
今までずんずんさんは、上司は上司、同僚は同僚と、ぶっちゃけ媚びることしか考えていませんでした。
お客さんとして誠意を尽くす、
そういう風に考えたのは初めてです。
お客さんとして見るとはどういうことでしょう。
全てを金の種と見ることでしょうか?
もしや、ここがエース営業と私の差か!?
ずんずんさんはそう思いました。