「ずんずん、今年は残念だったね」
営業部長さんは続けました。
「でも、1年ぐらいダメでもなんだ。僕は15年前、この会社のアルバイトから始めたんだ」
また営業部長さんはドヤ顔でいいました。
アルバイトからこの会社のエース営業になり、
営業部長にのぼり詰めるなんて一体どういうことなんでしょうか。
そう言えばと、ずんずんさんは思い返しました。
営業部長さんはお酒が一滴も飲めません。
飲み会ではいつもソフトドリンクを飲んでいるのです。
それなのに飲み会への出席は欠かしたことがありません。
た…ただ者じゃねぇ…
ずんずんさんは、ごくりとツバを飲みました。
と、同時に、
あ、ちょっと私には無理かも…
と、あっさりと営業部長さんを目指すのは、やめました。
ですが、ずんずんさんは思いました。
給料があがらなかったと腐ることは簡単です。
人の目を気にせず、お局様さんのように世界の全てを憎みながら、
仕事をしていけばどんなに楽でしょう。
腐るのは今からでもできます。10年後だってできます。
今勤めている会社が10年後も続く保証も、10年後も同じ会社に勤めている保証もないのです。
この先、どうなるのだなんて誰にもわからないのです。
ですが、ずんずんさんは、今の営業部長さんの話でひとつだけわかったことがあります。
仕事とは
やりすぎた者が勝ち残るのだ、と…。
ずんずんさん「わかりました! 私、諦めません!」
気づくとずんずんさんはそう叫んでいました。
「今できることを1つでも多く経験して1つでも多くのものを学び、1銭でも多く稼ぎます!!」
「そうだよ! ずんずん! その粋だよ!」
と営業部長さんは膝を叩きました。
営業部長さん「僕はずんずんのことを見込んでるからね!」
「いやいやーそんなそんな」
ずんずんさんは照れくさそうに頭をかきます。
営業部長さん 「ところで、ずんずん」
きりっと営業部長さんは言いました。
「君、営業部来ない?」
ずんずんさん「あ、それはちょっと嫌ですね」
休み時間のショートトークで、ヘッドハントを行う営業部長さんの腕前に戦慄しながらも、ずんずんさんは、これからも社内営業がんばろう!と心に誓うのでした☆
〜今週のまとめ!〜
1. 相手の期待を上回ってからが仕事のはじまり!
2. 社内営業は仕事の下地!
3. 仕事はやりすぎて、なんぼのもんじゃい!
☆おしまい☆