エピゲノム変異の概念がもたらす影響は創薬にとどまらない。母体の栄養状態、ストレスや有害物質への暴露は胎児のエピゲノム変異をどこまで誘発し、どんな「体質」を規定するのか。変異したエピゲノム情報を書き換え、修復することは可能なのか。さらに、一世代が獲得したエピゲノム変異は次世代にも受け継がれるのか、などダーウィンの進化論をも揺るがす命題を含んでいる。

 自分の意識・無意識的な生活習慣が子々孫々の生命線の長さを決定するとしたら……。考えると怖い話ではある。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

週刊ダイヤモンド