そして問題視すべきは、財務省がこのような甘い対応をするのを官邸が許容したということです。霞が関の役所に自浄作用がないのは当然で、それを許さずにしっかりと真相究明・対応させるのが官邸の役割であるにもかかわらず、自らに累が及ぶのを恐れたのか、長期政権の維持を優先したのかはともかく、官邸が財務省の甘い対応を許したというのは情けない限りです。

シェアリングエコノミーなき
未来投資戦略の中身

 それはともかくとして、どの新聞もテレビも報じてくれませんが、森友問題への対応以上にひどいと言わざるを得ないのが、今年の安倍政権の成長戦略です。6月4日にその成長戦略を検討する「未来投資会議」が開催されましたが、そこでまとめたられ「未来投資戦略2018」を見ると、総理官邸が森友や加計学園への対応に追われる一方で、いかに成長戦略はやる気がなくて手抜きをしたかが如実に見えてしまいます。

 この未来投資戦略では、世界レベルでの第4次産業革命の進展を意識して、「Society 5.0」「データ駆動型社会」といった意味不明な単語を使いつつ、次世代モビリティ・システムや次世代ヘルスケア、スマートシティといった流行りの政策を羅列してはいますが、その概要ペーパーを見ると面白いことに気がつきます。

 第4次産業革命といえば、世界的にそのフロントランナーとなっているのは自動運転とシェアリングエコノミーですが、前者については未来投資戦略に詳しく言及されているのに、後者のシェアリングエコノミーについてはこれだけブームになっているにもかかわらず、何の言及もないのです。何故でしょうか。

 その理由はおそらく、霞が関の官僚のみならず総理官邸も、既得権益が怒る規制緩和に取り組む気がないからではないかと思います。