――時価総額についての考え方は。

 時価総額は市場から見た“将来のソニーのキャッシュフロー創出力”であると思っています。我々がどのくらい価値を創出できると思われているか、もし思われていないのなら何が原因なのかを見る手段として時価総額は大事にしていきたい。具体的な金額を目標にするというよりは、経営の規範として見ていきます。

 20年前の前回の過去最高益時代には、ソニーの時価総額は世界でだいたい50番目くらいのところにいました。直近では150位くらいで、10年前は700位まで落ちたのでそこからは回復しています。世界のトップの顔ぶれも変わっており、20年前はコカ・コーラなど、5~10年前はチャイナモバイル、エクソンモービルなどがトップにいました。現在のトップはアップル、アルファベット(グーグル)、フェイスブック、テンセントなど、基本は米国か中国のテック企業が占めています。これには人口と言葉のアドバンテージがあるんじゃないかとは思っていますがね。

 あのレベルのプラットフォーマーになろうとか、ここと戦うことはしない方がいい。では、どうやったら土俵をずらせるか。どうやったら生き残れるかを考えました。その答えが「人に近づく」ということです。お客様のそばに、クリエイターに近いところにいる方が生き残れる。出版権を持つということはクリエイターに非常に近いところにいるということ。これは生き残り戦略でもあるのです。

――中計発表の後、株価は下がっています。ソニーの成長戦略は。

 私の性格もありますが、「ネガティブサプライズ」は起こしたくない、というのは確かです。ただ、利益成長を諦めたわけではもちろんなく、長期的に目指さなければならないと思っています。ただし、3年の時間軸で目指さなければならないものと、その先で目指すものは別だと思うんですね。ゲーム事業も、2020年までには成長は減速、つまり「しゃがみ」ますが、しゃがむということはその後立ち上がる、つまり再成長すると解釈してもらって構わないです。

――赤字が続くモバイル事業については。