強硬に反対した現業部門が
なぜ一転ロボット推進派になったか

小柳 そこで、業務のひとつで、代々の新入社員が「修行」を兼ねて1時間半ほどかけてやっていた資料つくりを、ロボットが数分でやってみせる、というのを実演して、反対する部門の実力者たちを集めてお披露目したのです。

 ロボットがだーっと清書し終えた瞬間、もっとも強硬に反対していた幹部が、思わず、「ぷっ」と吹き出したんですね。それで一気にムードが変わりました。その後は、その部署が率先してロボット支持に回り、最大のロボット利用者になってくれたのです。

秋山 説得するときは一番強硬に反対している人に、否定しようのない圧倒的な物証を見せて、首を縦に振ってもらうと、そのあとの展開が楽になりますね。権謀術数的なビジネスの基本ですね(笑)。

小柳 さきほどの「教育上の懸念」は、新入社員さんに一通り覚えるまでは手でやってもらうことはわたしも意味があると思っています。そして、覚えたら機械に替えればいい。

 ロボットのいいところは、システムと違って、導入してしまったら絶対に使わなければならない、ということではなく、使う人が使いたいときに使うようにすることもできることです。自分の手の代わり、電卓のようなものですから。

 他の部署でも、「毎週月曜日に視聴率レポートを出す」「内勤からデータを集めて見積書を出す」といった定型フォームを使う業務でRPAを導入していきました。そうしたところ、業務が効率化できただけでなく、われわれが「当面はやめておこう」と思ったBPRに自ら取り組むチームも出てきました。顧客に「この資料はお要り用ではないですよね」といって、業務ごと削減させていただくという事例も出てきたのです。

秋山 冒頭で「方針転換した」とおっしゃったリエンジニアリングにつながったということですね。このようにRPAを入れた効果もあって、6月から試験的に毎月1回週休3日の週を設けることということなんでしょうか。そのお話は次回に。(対談の続きはこちら

(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山進、構成/ライター 奥田由意)

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