元経済ヤクザで投資家、作家としても活躍する「猫組長」こと菅原潮氏。DOL特集「地下経済の深淵」第16回は、世界経済の裏側から投資ビジネスの実態まで、自ら海を渡り、国際金融の舞台で暴れ回ってきた菅原氏に、国際金融で蠢く暴力団の実態と、修羅場を潜り抜けてきたからこそ辿り着いた“猫組長流投資の極意”を聞いた。(ライター 根本直樹)

山口組が世界に冠たる
“企業体”である理由

──新刊『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言』(扶桑社)を出版されました。元々は暴力団山口組系二次団体の組長だったのですが、引退後、何をされているのですか。

猫組長
菅原潮(すがわら・うしお)/神戸生まれ。元山口組系二次団体幹部。若くして反社会的組織に身を投じ、仕手戦やインサイダー取引を経験。グレーゾーンのファイナンスや国際金融を得意とす経済ヤクザとして活躍し、タックスヘイブンにも複数の企業を保有している。猫組長というペンネームやツイッターアカウントで活動している。

 カネを稼ぐ手段は、暴力団時代も今も基本的に同じですね。株をメインとした投資が生業です。最近はこれに評論・執筆活動が加わって、原稿料や印税なども入るようになりましたが、収入としては微々たるものですね。

──暴力団時代と今では、当然ビジネスのやり方は変わったと思うのですが。

 意外に思われるかもしれませんが、ほとんど変わっていないんです。ぼくがやってきた投資ビジネスって、暴力団だろうが、一般の人だろうが、結局は同じルールの下で戦うわけですよ。

 これまで僕が主戦場としてきた、国際金融の世界などは特にそうです。暴力団だからといって何でも非合法なやり方をしているかといえば、そんなことはない。国際金融の世界を牛耳っているのは、米国、イギリス、中国といったある種の覇権国家であり、そこに歯向かう者は誰だろうとすぐに潰されてしまうからです。

 特に、9・11事件以降、マーケットからいかに反社会的勢力の資金を排除するかが世界的な課題となり、米国を中心とした監視の目は年々強まる一方です。