イタリアの新政権発足で広がる不安
イタリアではようやく新政権が成立しましたが、不安が国内外に広がっています

 皆さんこんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。

 今月に入り、イタリアではポピュリズム政党・五つ星運動と極右政党・同盟による3ヵ月にもわたる交渉の末、ようやく政治空白に終止符が打たれ、連立政権が発足しました。しかし、そこに漂う不安はイタリア国内のみならず、欧州経済、ひいては今後の世界経済にも影響しそうです。欧州では来週28日、29日に欧州連合(EU)首脳会談が予定されており、イタリア新政権の出方などが注目されます。

 そこで、今回は、イタリアの政局動向のポイントを整理し、今後考えられるシナリオのシミュレーションなどを試みた後、日本へのインプリケーションを考えてみたいと思います。

ようやく連立政権が誕生するも
一枚岩とは言えない状況

 まずは、イタリアの新政権ですが、総選挙は3月に実施されました。この時、いずれの政党も過半数を獲得できず、五つ星運動が33%、同盟が17%の得票率となり、それぞれ第一党と第四党となりました。これにより五つ星運動と同盟が連立交渉を進めたものの、途中、首相や閣僚の候補が交代するなど、その過程には紆余曲折がありました。結局、政治経験の無い、法学教授のコンテ氏を首相とし、両党の党首を副首相に据える形で政権発足に至りました。

 ディ・マイオ氏を党首とする五つ星運動は、経済が停滞する南部の低所得者層を支持基盤としています。このため、失業者への最低所得保障や、雇用促進センターの整備などを政策として掲げています。

 一方、サルビーニ氏を党首とする同盟は、経済の豊かな北部の経営者層を支持基盤として、北部の自治権拡大などを主張しています。

 このほか、両党とも反EU、反移民の姿勢を示している点は共通しているものの、それぞれの主張には隔たりがあるのが実情です。

 例えば、先週は多くの移民を乗せた船に対して、特に同盟側が強い入港拒否を示し、結果スペインが移民を受け入れるに至りました。しかし、五つ星運動内からは、同党が低所得者や弱者支援を掲げていることから、そうした層に当たる移民に対する強硬な姿勢を非難する声が上がりました。連立政権がようやく始動したものの、イタリア政権は一枚岩とは言い難い状況なのです。