スマホによるフリマアプリの登場で個人間取引は増えている個人間取引ビジネスの市場は急拡大している(写真はイメージです)

フリーマッケトアプリの「メルカリ」が東証マザーズに上場した。個人間取引(CtoC)ビジネスもいよいよ拡大の局面に入ってきたことを象徴している。CtoC市場の拡大で、「フリマアプリ等(新興勢力)vs買い取り型店舗(旧勢力)」という競争も激しくなっている。その一方で、高級ブランド品の取引に関しては「偽物」対策という特有の問題点が改めて急浮上している。(流通ジャーナリスト 森山真二)

自分がフリマアプリで
売買したブランド品が偽物だったら?

「CtoC」での売買上、今後ひとつの焦点になってきそうなのが、売買される高級ブランドの「真贋」を誰がジャッジするのかということだろう。

 いわば、これは利用する消費者側の被害だけではなく、ブランドを供給する側も今後、正規の販路で販売された後に、フリマアプリやネットオークションという販路に出品されることを“前提”に流通を設計していかないと「価値の棄損」につながりかねないし、結果的に購入者に損をさせることになるのだ。

 もし、自分がフリマアプリで売買した高級ブランドのバッグが偽物だったら――。

 個人でのブランドの真贋の判断は、正規代理店以外の場所で購入した場合、極めて難しい。そのためブランドの本物を見極める方法といったサイトも少なくない。「Aというブランドの偽物は刻印の大きさが本物とは違う」などと細かい見分け方を伝授しているサイトもある。

 特定のブランド品については、かねて大量に精巧な偽物が出回っており、それがディスカウントストアやネット通販で平然と流通している。消費者自らはてっきり本物と思って購入・使用していて、ある日ブランド品買い取り店の鑑定士に鑑定してもらったところ、偽物だったというケースも少なくない。