夫が高年収で専業主婦の家族と、夫が低年収で夫婦共働きの家族の事例(夫婦の年齢、家族構成は同じ設定とした)から考えることにしよう。

結婚当初、高収入でお金に困るはずがないと
思っていたA家のその後……

「上場企業で働く男性なら収入も高く、将来が安泰だ」と思った妻と、「女性に家庭を任せられればいい」と思っていた夫(現在52歳)のA家の家計状況を見てみよう。

<A家>
夫:34歳で結婚、上場企業に勤め年収1000万円(額面ベース)
妻:30歳で結婚、すぐに子どもに恵まれ、専業主婦に。31歳で長男、34歳で長女を出産。
年間生活費:42歳当初707万円(内訳:住宅ローン137万円、固定資産税や管理費42万円、車費36万円、生命保険料36万円、教育費84万円、食費・日用品費176万円、水道光熱費・通信費60万円、レジャー・小遣い100万円、医療費・その他36万円)
※金額は10年前(夫42歳)当時をもとに一部物価上昇などを反映して算出している。

 妻は、絵に描いたような教育ママ。子どものおけいこといった教育だけでなく、洋服・レジャーにもお金をかけている。当時、手取りは780万円弱だったが、全世帯の平均(550万円)以上という気持ちの緩みや見栄から、妻は年間支出700万円台の生活が当たり前のようになっていた。

 こういう話を聞くと、A家は人生の勝ち組のように思えるかもしれない。ところが、この家庭の雲行きが怪しくなる。

 仕事のプレッシャーで疲れ気味の夫と、子どもの教育に熱がこもる妻との間でコミュニケーションが上手くいかなくなり、夫はストレスを抱えていった。その後、夫は48歳の時に出向となり、年収が手取りで約660万円(1年前と比べ15%減)に下がる。子どもは食べ盛りで食費がかかるほか、長男は中学から私立に行かせようと考えていたため、ちょうど私立中学の受験と重なり、教育費は約100万円も上昇する。