4月16日、帳票とBI(Business Intelligence)の分野で、ソフトウエア製品の開発と販売、保守サービスを行っている1stホールディングスが、米国セールスフォース・ドットコムとの資本投資を含む業務提携を発表した。
1stホールディングスは2004年3月創業で、現在、ウイングアーク テクノロジーズなどグループ7社を統括する。今年2月には東証二部上場を果たすなど、このところ、勢いをつけているIT企業だ。
一方、セールスフォース・ドットコムは、法人向けにクラウドコンピューティングサービスを提供しているIT大手。1stホールディングスは、今回の資本受入と業務提携を足がかりに、今後、情報活用を軸としたクラウドサービス事業を本格展開していく計画だ。
まずは、1stホールディングスが以前から提供していたBIダッシュボード「MotionBoard」を、セールスフォース・ドットコムのクラウドプラットフォームで利用できる「MotionBoard for Salesforce」として提供していく。ユーザー企業は、1stホールディングスのグループ企業であるバリオセキュア・ネットワークスのクラウドサービス「VarioCloud」を通して利用することとなる。
「ソーシャルエンタープライズ」の先駆的存在を目指す
記者発表会には、1stホールディングスの代表取締役社長の内野弘幸氏およびセールスフォース・ドットコムの日本法人の代表取締役社長の宇陀栄次氏が登壇した。
まず、1stホールディングスの内野社長が同社の概要とクラウドサービス市場への参入意義について説明した。
現在、グループの主要事業は、帳票システムとBIのソリューションを提供する「ソフトウエア事業」とメールによる情報漏えい対策などセキュリティサービスを提供する「サービス事業」の2本立てとなっている。
それに対し、内野社長は、「昨年度までは2つの事業がそれぞれ別々に活動してきた。しかし、今後、2つの事業のサービス内容を『VarioCloud』として統合し、クラウドサービスとして提供していく。それにより、ユーザー企業は社内だけでなく、外部の情報も安全な環境下で安心して活用できるようになる」と説明した。