約10年前にファーウェイが日本市場への参入を決めた時、創業者の任正非氏は、「ファーウェイの製品が、日本市場の品質需要を満足させることができないとしたら、世界中のどの市場に行っても認められない。ファーウェイは日本市場を特に重視し、品質は日本市場を基準にする。そうでなければ、ほかの製品から頭一つ飛び抜けることは不可能だ」と話したという。

日本の3大キャリア同時発売となるファーウェイのスマホ
日本の3大キャリアで初めて同時発売となるファーウェイのスマホ

 この言葉を受けて呉総裁は、「日本の人口は約1億3000万人、市場と消費者の要求は非常に高く、新しい技術に対してもとても敏感だ。安全なだけでなく、安くて機能も高くなければならない。製品に加えてソフトウェア、品質の細部にまで消費者は注目している」と話す。

 日本市場の特徴として、呉総裁は、以前あるクライアントが話した内容を引用した。「中国や欧米の消費者がレストランで食事をした時、料理の中に髪の毛が入っていたら、おそらく店員を呼んで直接注意するだろう。店側は新しい料理を運び、料理をタダにすることで済むかもしれない。しかし、それが日本人だった場合、もしかするとその場では何も言わず、二度とそのレストランに来なくなるかもしれない」と。

 日本市場は、こうした特徴と消費文化を持っているため、ファーウェイは常に進歩を求め、磨きをかけ、細心の注意を払い、消費者のニーズを理解するよう努めているという。

 呉総裁は、「ファーウェイはブランドの知名度よりも、信用度を重視している。知名度が高くても、信用度が低ければ誰もファーウェイの製品を買ってはくれないし、一度使ってみて使いにくいと感じてしまったら、新しいものが出ても絶対に買ってはくれない。消費者にファンになってもらうことが目標だ」と話す。

キャリアとのつながりを保ち
今後は5Gに立ち向かう

 ファーウェイは、3大キャリアにも認められたとはいっても、決して気を緩めない。

「一度認められたからといって、決して安心はできない。今後、ずっとファーウェイが選ばれるとは限らないからだ。以前にも同じような状況があった。台湾と韓国のブランドが日本のキャリアに一度認められたがうまくいかず、日本市場から撤退せざるを得なかった。また、SIMフリー市場もファーウェイにとっては主力事業で重要だ。二つの事業ともに力を合わせやっていく」(呉総裁)。

 また、技術の研究開発も推し進める構えだ。近年、話題となっている5Gについて、まだ商用化されてはいないものの、確実に実現が近づいてきている。呉総裁は、「中国で5Gは、早くて今年末には商用化される。韓国も今年か来年あたり。日本はおそらく東京五輪前には商用化が始まる」と見ている。