MRJ資本政策の“奥の手”とは
三菱航空機の資本増強策をまとめ上げることは、MRJ事業を軌道に乗せるために必要不可欠。異例の就任6年目に入った宮永俊一・三菱重工業社長(写真中央)の最後の大仕事となりそうだ Photo:Yuriko Nakao/gettyimages

「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の開発が遅れ、2018年3月期に1100億円の債務超過に陥っている三菱重工業傘下の三菱航空機。三菱重工は5月8日、今年度中に資本増強を行う方針を発表したが、増資の引受先を検討する中で、航空機事業の再編策が浮上している。三菱重工の思惑とは。 (「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)

 三菱重工業が、航空機事業の社内再編を検討している。米ボーイングや国産初のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の機体を製造する民間機事業を三菱重工本体から切り離して分社し、MRJの開発・販売事業に専念してきた三菱航空機(三菱重工の100%子会社)に統合する案が浮上しているというのだ。

 背景にあるのは、三菱航空機の増資の必要性だ。同社は2018年3月期に1100億円の債務超過に陥っている。MRJの開発が遅れに遅れ、13年後半に予定していた初号機の納入が20年半ばまでずれ込んでいるからだ。

 これまで、ピンチが訪れるたびに三菱重工が開発資金を工面してきたが、「このままでは見栄えが悪過ぎて今後のMRJの販売等に影響が出かねない」(三菱重工幹部)。そのため三菱重工は5月、18年度中に三菱航空機の資本増強を行う方針を明らかにしていた。