賃金上昇や物価上昇の動きがあまりに遅い。それ故、日本銀行は7月30、31日の金融政策決定会合で「物価検証」を行うという。需給ギャップ改善の継続にもかかわらず、賃金や物価が思うように上昇しない理由の説明を余儀なくされるのである。
そこには、2018年度は1.3%、2019年度は1.8%としている強気のインフレ見通しを下方修正する理由を説明する意味合いも込められる。
物価が上がらない理由をどう説明するか興味深いところだが、今回の物価検証の主眼は、あくまで追加金融緩和論への牽制にある。「総需要の弱さが賃金上昇や物価上昇の遅れを招いているわけではないのだから、追加緩和は不要である」ことを、リフレ派の政策委員らを、十分納得させる必要があると考えているからだろう。
だが問題はそれで済むのかだ。