2020.11.26 コロナ後に日本が目指すべきはグリーン・デジタル社会の構築 日本は第3次産業革命といえる、経済社会のデジタル化、グリーン化で世界の中で取り残されている。長期低迷からの魔法のつえはないが、デジタル化、グリーン化に政府、企業が投資をしていくことで、新たな需要を生み出すことはできるはずだ。それは…
2020.10.1 コロナが拍車かける財政ファイナンスの「今そこにある弊害」 主流派の経済学においては、中央銀行が国債を購入し、政府の財政赤字拡大を支える状態が続くと高率のインフレが起きるとされ、それが中央銀行の国債引き受けを禁止する理由だった。しかし、現時点で大幅な財政赤字は高インフレをもたらしてはいない…
2020.8.5 独立した中央銀行が直面する、物価安定目標がもたらす罠 多くの中央銀行は、一定の物価上昇率を目標として金融政策を運営し、そのために金融緩和を続けることが多かった。現在、コロナ禍で日本銀行を始めとする主要中央銀行は大幅な金融緩和に踏み切り、国債購入など量的緩和も拡大している。景気刺激のた…
2020.6.29 コロナ後の共同体意識の高まりは「富の偏り」を是正できるか コロナ禍は人々に共同体的な連帯意識を強めさせることになり、社会保障などを通じた所得再分配だけでなく、プラットフォーマーへの課税強化など、「知識経済」のもとでの富の偏りを変えるものになる可能性がある。
2020.6.10 「9月入学」が学業の遅れに対する正しい処方ではなかった理由 新型コロナ問題で学校休校が長引く中で急浮上した「9月入学」移行は「直近の導入は困難」と結論付けられたが、もともと学業の遅れを取り戻す正しい解決策ではなかった。今の状況での見送りは妥当だ。
2020.4.8 新型ウイルス危機は「所得分配」を変えるゲームチェンジャーか あらゆる層が打撃を受けるコロナウイルス危機は、大恐慌時のように社会的連帯が強まり、グローバリゼーションで不平等が拡大した所得の分配を変える契機になるが、自国外には遠心力が働き分断を広げる可能性がある。
2020.2.12 グローバル化とロボット化は「雇用の危機」を深刻化させるか かつては技術進歩で労働が代替されても新たな雇用が生み出されたいた。しかし今回はデジタル革命で、グローバル化と自動化のスピードが速い。失業問題は深刻化するのか。それとも、我々の際限のない欲望が今回も新たな雇用を生み出すのか。
2019.12.11 ITデジタル革命による「所得格差拡大」の動揺を抑える方法 経済や政治の秩序の動揺は技術革新によって起きてきた。現代は「ITデジタル革命」所得の二極化を生み資本主義の土台を揺るがしている。イノベーションと同時に社会的包摂を進めることが必要だ。
2019.10.16 イノベーション不足は「日本型雇用」を変えることで解決するか 潜在成長率低下はイノベーション不足が主因であり、長期安定重視の日本型雇用システムが外からの人材確保や事業再構築を進める「足かせ」になっている。だが成長は雇用を変えるだけでは不十分だ。
2019.8.21 米国の過度な「予防的利下げ」が自国や世界に生み出す厄介な問題 米国の「予防的な利下げ」を機に、自国通貨高を回避したい日欧も打つ手のない中で緩和競争を強いられ、米国自身も金融不均衡拡大や潜在成長率の低下で緩和を続けても低成長に陥る可能性がある。
2019.6.26 米中新冷戦はグローバル企業の「生産拠点回帰」を進めるか 米中新冷戦の様相の中でグローバル企業の生産拠点などの展開は変わり、米国や欧州、日本など、域内で「地産地消」を目指す形になる。AIなどのイノベーションの進展がこれを後押しする。
2019.4.25 財政赤字容認の「現代貨幣理論」は、先進国を長期停滞から救う処方箋か 先進国経済の“長期停滞”がいわれ、次の景気後退局面では金融政策が手詰まりの中、財政赤字を容認する「現代貨幣理論」は有効なのか。金融不均衡がある状況では資本市場の大混乱を招く懸念が強い。
2019.4.14 リベラルと保守の断絶を越えトランプ支持者の深奥に迫る なぜ、米国の貧しい白人労働者は大きな政府のリベラル派ではなく、小さな政府の保守派を支持するのか。米カリフォルニア大学のバークレー校で研究する著名な社会学者が、保守派の牙城である南部のルイジアナ州の小さな町に乗り込み、5年間にわたる…
2019.3.6 グローバル経済、減速からの「早期回復」は可能なのか 減速が始まったグローバル経済は早期に回復するのか。中国の景気対策の効果が出るまでは時間がかかり、減税効果が剥落した米経済も減速する見通しだ。一方で米国の利上げ中断や原油安は下支え要因として考えられる。
2019.2.17 “ディストピア”は不可避か 新技術がもたらす階級社会 世界的大ベストセラー『サピエンス全史』では、人類がどこから来たのかが論じられた。7万年前、人類が人類たり得た最初の「認知革命」が起こった。人類は、他の動物とは異なり、想像力で社会を構築し、ルールや宗教など虚構(物語)を共有すること…
2019.1.9 2019年の「不況」は設備投資のストック調整がカギを握る 日本の輸出と生産はすでに横ばいだ。好調なのは設備投資だが、けん引役だった非製造業の建設投資はピークアウトの兆候を示す。設備投資のピークアウトで2019年後半以降、日本経済は下降局面に向かう。
2018.12.9 日銀の前総裁が在り方を問う 民主主義の下での“中央銀行” 評者の近年の関心事の一つは、政府と中央銀行との関係である。1990年代以降、私たちは“決める政治”を目指し、選挙制度や執政制度を大きく変えてきた。その結果、官邸主導に移行したが、自立性や専門性の発揮が期待される金融政策にも強い政治圧力…
2018.11.7 限界を超えた金融緩和は「4つの弊害」でむしろ成長を妨げる 日銀の最近の金融政策は超金融緩和長期化の副作用の軽減が主眼になっているが、念頭に置くべき本当の問題は、緩和の長期化が経済の資源配分や所得配分をゆがめ、潜在成長率の低下を招く「弊害」が強まっていることだ。その結果、金融政策の有効性も…
2018.10.7 焼却されたはずの報告書から日米開戦時の矛盾を徹底分析 なぜ、日本は勝ち目のない対米戦争を開始したのか。通説は、経済学者が無謀と主張するも、それを軍が握り潰(つぶ)して開戦に踏み切ったというものだ。本書は、新たに発見された資料を元(もと)に、気鋭の経済史家が通説を覆す日米開戦史である。
2018.9.12 リーマン後10年、「労働節約的イノベーション」が新たな危機の火種になる リーマンショックから10年、金融規制強化など危機の芽を摘む努力がされた一方で、バブルを作ることでしか完全雇用が実現しない「不都合な真実」がある。それをもたらしたのは「労働節約的なイノベーション」だ。