英米はインフレ2%でサービスや外食が高騰、日本もそれでいいのか米ニューヨークにあるエンパイアステートビルディング展望台の入場料は、20年で4.5ドルから37ドルへと722%も上がった Photo:REUTERS/アフロ

 英国と米国、日本の過去20年における毎月の消費者物価指数前年同月比の平均は、各2%、2.2%、0%である。日本銀行のインフレ目標は2%なので、日本では英米のような物価上昇率が理想とされている。

 家電製品などのモノの価格は、英米でもグローバル化やテクノロジーの影響で大幅に下がってきた。それでも平均のインフレ率が2%程度だったのは、サービスや外食に顕著な値上がりがあったからだ。そこで、1998年と今年でそれらの価格の変化を3国の主要都市で比較してみた(参考:『地球の歩き方』〈ダイヤモンド社〉、「るるぶ」〈JTBパブリッシング〉などの各種ガイドブック)。

 まずは交通機関の料金だが、東京の地下鉄(営団地下鉄、現東京メトロ)初乗りは160円から170円へ6%上昇、JRの「都区内パス」は730円から750円へ3%上昇。消費税率引き上げを考慮するとわずかな値上げだ。

 一方で同期間の英ロンドンの地下鉄初乗り料金は、1.2ポンドが4.9ポンド(地下鉄カード利用は2.4ポンド)へ308%上昇した。

 米国でも、サンフランシスコ名物のケーブルカーは2ドルから7ドルへ250%上昇し、ニューヨークの地下鉄初乗りは1.5ドルから2.75ドルへ83%上昇した。ジョン・F・ケネディ国際空港からマンハッタンまでのタクシー固定料金は30ドルから52ドルへ73%上昇だ。