日本銀行は、これまで「消費者物価の対前年上昇率2%」を金融政策の目標としてきた。しかし、2018年4月に目標の実現時期を削除したのに続き、7月30日、31日の政策決定会合では物価の見通しを下方修正し、場合によっては目標値の引き下げを議論すると見られている。
だがそれだけでは意味がない。この機会に、消費者物価がなぜ上昇しないのかについての突っ込んだ議論が必要だ。
以下では、生産性の高いサービス産業が登場しないことが、物価が上がらないことを含めて日本が抱える基本的な問題であることを示す。
消費者物価は日本では上がらず、
アメリカでは上がっている
まず日本の消費者物価の長期的な推移を見ると 1990年代の中頃以降、ほとんど一定で変化していない。