お墓の引越しは意外と大変!お墓の引越を考える時、寺の住職から高額な離檀料を請求されるトラブルが起こることも。トラブルにならないようにするには…(写真はイメージです/Photo:PIXTA) 

2045年には日本人の平均寿命が100歳になるという「超高齢化」の時代。以前から「長生きするリスク」について提言をしてきた『老後に破産しないお金の話』の著者・大竹のり子氏に、お墓の費用や離檀料等について解説していただきます。

人生をどう締めくくるか
考えていますか

 都内の部品メーカーで働く50代のAさんは、自分の人生をどう締めくくるかについて、最近、真剣に考えるようになりました。永代供養墓のパンフレットを取り寄せたり、熱心に保険の見直しを考えたりしている様子を見て、妻は「まだまだ先の話じゃない」と笑いますが、Aさんは大真面目です。

 実は昨年春、Aさんは山陰地方で一人暮らしをしていた80歳になる母親を亡くしました。元気な様子だったのに、いきなり脳出血で倒れてすぐに他界してしまったのです。

 何の準備もしていなかったため、病院関係者から電話が来てからの狼狽ぶりは大変なものがありました。母親の交友関係も全く把握しておらず、誰に連絡をしたらよいのかもわかりませんでした。

「僕は自分の最期は自分で決めておきたい」

 母親を亡くしたことをきっかけに、Aさんはそんな思いを強くしているのです。

 お金のことも大変でした。Aさんは一人息子であり、父親はさらに前に亡くなっているため、実家はAさんが相続することになりました。家のほかに資産として相続できたのは、預貯金や投資信託などを合わせ、約1000万円。