今日から彼岸入り。週末からの3連休は実家に墓参りという人もいるだろう。最近は実家で墓を守る人がいなくなり、「墓参りの費用や身体的な負担が大変だ」という人が増えている。そのため、お墓の引っ越しなど、実家の「墓じまい」を真剣に考える人が増えている。(ダイヤモンド・オンライン編集部 山本猛嗣)
「墓じまい」は
2つのパターンがある
「実家のお墓をどうするか」――。最近、こんな悩みを抱える人が急増している。その理由は明らかだ。少子高齢化時代の折、地方から都市部に移り住んで働く人が増え、実家で「墓を守る人」が激減しているからだ。
「実家の両親を引き取って、都内で一緒に生活している」「実家の両親が既に亡くなってしまい、墓のある実家方面には兄弟姉妹や親戚もいない」「一人っ子同士の結婚で、子どもがなく、自分たちの後は実家の墓を管理する人がいない」「墓参りの出費負担が大きく、なんとかしたい」などといった人々が急増しているのだ。
そこで、多くの人が直面するのが「実家のお墓をどうたたむか」という問題だ。「墓じまい」「お墓の引っ越し」「墓の改葬」とも言われる。
この墓じまいは、その後の遺骨の「引越し先」によって、2つのパターンに大別できる。実家の墓を閉めた後、(1)自分が住む近くに改めて「きちんとした墓」を用意して移す、(2)合同供養墓や共同納骨堂などの永代供養墓に移す。あるいは散骨などで極力、管理負担を簡素化する方法に変更する、というものだ。
複数の葬儀関連業者に聞くと、圧倒的に増えているのが、(2)パターンだ。文字通り、完全な「墓じまい」。実家の墓をたたんだ後は、「もう墓を持たない」という人が増えているという。その理由は少し考えてみれば、もっともだ。
「墓じまいを考える人は、圧倒的に東京都内をはじめ、首都圏の都市部に住む人たちです。そもそもお墓の数が絶対的が足りないし、見つかったとしても極めて高額なことが多い」(業界関係者)からだ。