アマゾンは詳細なリリースを出さない
また、アマゾンは、自社の新製品について詳細なリリースは出さない。調査会社や証券会社はアマゾンの事業規模を推測するしかない。たとえば大規模な宣伝とともに登場したAIスピーカー、アマゾンエコーの販売台数ですらわかっていない。
500万台とも1000万台とも言われており、各社の記事もまちまちだ。その他にも、今後の新商品や経営戦略についてさまざまな憶測が飛び交う。これに対しても、アマゾンは一切コメントを出さない。これは、ほかの大手企業ならばありえない話だ。
多くの会社は、自社にとって不利な話は沈黙し、有利な話ならばこちらが頼んでもいないのに発表する。トヨタ自動車のハイブリッドカーの新車シェア、アップルのiPhoneの販売数などは、もちろんプレスリリースとして報道各社に配布されてくる。
しかしアマゾンは自社に有利な情報ですら沈黙を続けるのだ。
その理由も推測するしかないが、顧客の利益を掲げるアマゾンにしてみれば、そもそも報道機関などの第三者と接触するのが、時間の無駄であると考えているのかもしれない。簡単に言えば、多くの事業を手がけすぎて、本業に集中したいあまり関わるのが「面倒くさい」のだろう。