「世界史」でこれからの世界の流れを考える

 では、これら3択のうち、どの潮流が今後の世界を支配していくのでしょうか?

 私は、現在の潮流は「(1)国家主権+グローバル化」で、今後はそこから「(3)民主主義+グローバル化」に向けて動き出していくと考えています。

 ちなみに「(2)民主主義+国家主権」という保護主義バリバリの閉鎖的な動きは、情報革命が世界的に行き渡った現在では採りにくい方法だと思います。

 トランプ大統領やイギリスのテリーザ・メイ首相の政策が早くも国民の間に大きな亀裂を生み始めているのは、時勢にそぐわない方法を採ろうとしているからです。

 こうした動きを反映して、2017年春のフランス大統領選では、極右・国民戦線のマリーヌルペンが大敗し、中道・無所属のエマニュエル・マクロン大統領が誕生しています。

 こうして今、おぼろげながらも見えてくる将来の世界の動きは、1つは極端なグローバル化からの離脱、もう1つは保護主義への極端な反動というよりは、穏健なグローバル化を選択していこうという歩みです。

 民意を反映しながらグローバル化路線を徐々に進めていこうとする世界の趨勢が見えてきています。

 では、そのような世界で、私たちはどのように振る舞うのが得策でしょうか。

 これから変貌をとげていく世界における投資のあり方を占ううえで、オランダ黄金時代の歴史ほど示唆に富むものはありません。

 次回の連載では、当時のオランダがどのようにグローバル化を進めていったのかを説明していきたいと思います。