腰痛の原因は「かかと」あなたの腰痛や肩こりの原因は、意外にも「かかと」かもしれません Photo:PIXTA

ウオーキングやランニングブームの昨今、「1日1万歩」などの目標をこなしていれば健康になれると思い込んでいないだろうか。しかし、もしあなたの「かかと」にゆがみがあれば、健康になるどころか、足腰を痛めて歩けなくなってしまう可能性さえあるので注意が必要だ。では、耳慣れない「かかとのゆがみ」とはどんなもので、ゆがみがあればどう整えればいいのか。オリンピック選手やトップアスリートの施術にも携わる全身骨格矯正師で『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』(アスコム刊)の著者である宮本晋次さんに「かかとのゆがみ」の正体とその解消法を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 林恭子)

膝痛、腰痛、肩こりのある人は、
「かかと」がゆがんでいる可能性大

――ウオーキングやランニングを毎日しっかりして健康管理をしているつもりが、むしろ膝や腰を痛めるケースが少なくありません。

宮本晋次さん宮本晋次さん
かかとトレーナー、全身骨格矯正師。ボディケアサロン「~日本橋矯正スタジオ~BodySign」院長。
30年以上にわたる施術実績をほこり、プロアスリートからも注目を集める人気矯正師。全身のゆがみをとり、幹部をもむだけでは取れない痛みを改善してくれると評判を集める。特に「かかと」が引き起こす全身の不調、ゆがみに注目した独自の技術が評判を呼び、スキー、スピードスケートなど数多くのオリンピック選手、各種日本代表の施術に携わってきた。 Photo:DOL

 中高年の場合、それらの大きな原因の1つとして挙げられるのが「かかとのゆがみ」です。

 足の中でも一般的に「かかと」と呼ばれる「踵骨(しょうこつ)」の部分は球体に近い形のため、地面に垂直な状態でなくても立ったり、歩けたりしてしまいます。ですから、ゆがんでしまっていても気が付かないことが少なくありません。

 しかし、かかとがゆがむと、片足26個の骨によってつくられている足のアーチが崩れ、人間が本来持っている正常なバランスが保てず、骨格ではなく筋肉を使って常にそのバランスを保とうとします。具体的には、脊柱や骨盤を支えている脊柱起立筋や大殿筋などの大きな筋肉はじめ、全身の筋肉が常に不安定な状況で使われ続けることになります。

 正しい状況であれば、かかと→膝→股関節→腰椎→背中→肩→頭へと、1本のラインで立つことができ、重心軸も真っすぐ取れていますが、この場合はそれができていません。結果、筋肉の緊張が骨格をゆがませてしまうことで、全身の筋肉バランスが崩れ、歩行時の姿勢(歩き方)や、座っている時の姿勢も悪くなってしまうのです。