>>(上)より続く

オンライン上で「付き合う」とは
プラトニック?な実態

 ちなみに「モンハン内で付き合う」とは、具体的にどのようなことをするのだろうか。

「他のプレイヤーに対して、『この子は俺の彼女です』というのが公言できるようになります」(Bさん)

 なるほど……。ほかには?

「付き合っているので、2人で過ごす時間が圧倒的に増えましたね。『愛してる』といった言葉を囁くようになったり。

 あと、モンスターと戦っている時、自分が所持している回復薬を自分に使うことが全くなくなりました。自分が所持している回復薬は必ず相手のために使うんです。反対に彼女は僕のために、と。『相手を心底思いやり合えているのだ』という実感が持てます。

 最高に幸せなのは、僕と彼女のアバターを重ね合わせている時です。『ちゅっちゅっ』とか言いながら(笑)。現実で抱き合っているような気さえします」

 常人には到達しがたい境地で、高度な恋愛を営んでいたようである。

「ヘビーなユーザーにとってのアバターは単なる自分の分身にあらず」と前回の連載記事で先述したのはこのことで、ヘビーユーザーにとってアバターとは具現化した魂のような高次元の存在なのである。それゆえに他者のアバターと重ね合わせることで涅槃的愉悦が得られるということなのかもしれない。

 さて、その後のBさんだが「彼女を現実でも支えて生きていきたい」と思い就職を決意した。就職活動を始めれば当然モンハンをやる時間が減るわけで、Bさんが不在となれば、☆ゅぅか☆が次なる相手を探し始めるのに時間はかからなかった。