重要なイベントをすっぽかした
部下の驚くべき言い分

「当時、その部下は新婚だったので、『いい仕事をするにはプライベートを大事にしなきゃダメだ』とよく言っていました。そんな中、ある大事なイベントの最終日が、日曜日と重なったのです。その部下が当日の責任者だったのですが、現場に来ない。電話をしても出ないのです。仕方なく私が現場を仕切りましたが、終わった後で電話をすると、何食わぬ感じで出たのです。来なかった理由を聞いたら、プライベートを大事にしろと言われたから行きませんでした、と。その後、さすがに彼の異動を申請しました。同時に本人には、落ち着いた時に医療機関に一度診てもらったらどうかと勧めました。その後、通院していましたね」

 上司の言葉を「字義通り」に受け取ってしまったのだ。発達障害の場合、言葉の裏を読むことも、TPOに合わせて使い分けることも苦手。相手の発した言葉の中で、自分の気になった部分のみに着目してしまい、いついかなる時でも、その言葉に忠実に動いてしまうといった偏りがある。

 Aさんは発達障害と思しき上司に苦しめられたこともある。

「部下だったら特性を理解して、論理的に説明して指示を与えれば、あとは細かく仕事内容をチェックしていれば、そんなに大きな問題にはなりません。ただし自分の上司が発達障害だった場合は、そう簡単にはいきません。『出たとこ勝負』の指示が多く、とにかく振り回されますね。こちら側の感情面からの訴えかけが全く通用しませんから。そういった上司だと、自分の方が論理的に正しいという自信があるため、全く意見を聞き入れてもらえないんです」

「新企画のプレゼンをした時に、顔が暗いぞ、と注意されたので、次の会議の時には満面の笑みでプレゼンしたのですが、終わった後、『お前、顔が暗すぎるんだよ、何度言ったらわかるんだ!』とさらに怒鳴られたりしました。そうか、この上司は人の顔の表情が読めないのか、と。さすがに腹が立ちましたが…。そういえば、この上司自身が日頃から、顔の表情は乏しいですね」