多くの男性の悩みの種である、男性型脱毛症(AGA)。治療薬を飲むことで症状が改善される一方、性欲減退やEDのリスクがあるという話もよく聞く。そこで、選ぶべきAGA治療薬やその副作用、新薬が出てくる可能性などについて、東京メモリアルクリニックの佐藤明男院長に聞いた。(清談社 布施翔悟)

フィナステリドのみの服用で十分
ミノキシジルの効果は半年間

薄毛治療で選ぶべき治療薬とは?
AGA治療薬の選び方や副作用、気になるサプリの効果は…? Photo:PIXTA

 男性型脱毛症(AGA)における主な治療薬は「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」の3種類になる。まずは、それぞれの違いについて聞いた。

「AGAは、睾丸から分泌されているテストステロンが、DHTという毛が長く太くなるための毛周期を短縮化させ、薄毛につながるホルモンに転換されることが原因です。この過程でテストステロンをDHTに変化させるのが5α-還元酵素。そこで、その5α-還元酵素を阻害してDHTの産出を抑制し、毛周期を正常に戻すのがフィナステリドとデュタステリド。この2つを5α-還元酵素阻害薬と言います。5α-還元酵素にはI型とII型があり、II型だけに効くのがフィナステリドで、I型とII型両方に効くのがデュタステリドです」(佐藤院長、以下同)

 もうひとつの「ミノキシジル」は、もともと血圧を下げるための薬だという。

「かつては血管拡張が直接作用だと言われていたのですが、今はIGF-1という、毛周期の維持につながる成長因子の分泌を増やすとされています。ただ、脱毛の直接原因であるホルモンに関与しないので、フィナステリドとデュタステリドよりも効果は低いでしょう」

 佐藤院長によると、複数の薬を併用する必要はなく、フィナステリドのみの服用で効果は十分だという。

「5α-還元酵素阻害薬とミノキシジルを併用すると2倍の効果が期待されると思われがちですが、ミノキシジルの効果は半年たつとなくなってしまうケースが多い。3、4年たてば、5α-還元酵素阻害薬のみ服用している人とほとんど同じような状態になってしまうので、ミノキシジルを使うか使わないかは患者本人にお任せしています」