農場で大人とともに作業する鷹之介君
農場で大人とともに作業する鷹之介君(左)=アメリカ・マサチューセッツ州のライトロック農場 写真:八戸やえさん提供

敏史)ボランティアになってからは、作業の内容やスケジュールなど、農場からの連絡はすべて、鷹之介を通じて来るようになりました。「子ども扱い」されず、対等に扱ってくれるのが、鷹之介にとって本当に嬉しかったんだと思います。農場での人間関係や仕事といったことは、彼自身の「世界」になったんだと、わたしたち親も考えて、農場に関することは彼にすべて任せるようにしました。

農場で働く自分。「大人っぽくなった」

 学校でも、家でもない自分の「居場所」を得た鷹之介君。農場で働くことをどう受け止めているのか。

鷹之介)自分が大人っぽくなった感じがした。農業体験コースは子どもっぽくて、栽培の場所も子供専用の菜園だったし、いつも教えてもらう側ばかりだった。でも僕は、「仕事」をしたかった。大人のボランティアが作業する様子を見て、ああいう風にいつか自分もできるのかな、と意識するようになりました。ボランティアになってからは、タイヤに刃物がついた器具で雑草を取ったり、鶏小屋に冬の間たまった糞の掃除を任されたりしました。糞からガスが出るから、マスクをして7分おきに交代で掃除するんです。

スタッフやボランティアの大人たちに混じって働く鷹之介君
スタッフやボランティアの大人たちに混じって働く鷹之介君(左端)=ライトロック農場で 写真:八戸やえさん提供