「週刊ダイヤモンド」9月8日号の第1特集「まだまだあった 不動産投資の罠」では、主要地域における金融機関ごとの不動産向け融資比率データを掲載した。誌面に収まりきらなかった全国版のデータを本誌読者限定で公開する。(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)
今回の特集では、相続税対策や副業を目的に業者の“甘い誘惑”に乗り、知識不足のまま不動産投資に手を出すことの危うさを示した。だが、女性専用シェアハウスのオーナーが多額の債務を抱えることとなった「かぼちゃの馬車」においても、スルガ銀行が不正融資を横行させなければ問題が発生することはなかった。このように、融資に積極的な金融機関による下支えがなければ、市場の熱狂は成立しなかったのが実情だ。
そこで、主要地域における金融機関ごとの不動産に対する融資姿勢を知るために、「不動産業」向けの融資比率をまとめた。この全国版は、誌面に収まりきらなかったすべての金融機関のデータを網羅している。
さらに全国版には、追加データとして融資比率の昨年比を掲載。2016年から17年にかけて、金融庁と日本銀行が相次いで不動産向け融資が過熱気味だと警鐘を鳴らしたことで、多くの金融機関は融資の引き締めを図った。だが、昨年よりも融資比率が増加した金融機関は、まだ不動産業に“門戸を開いている”と言えるだろう。融資比率と昨年比という2つの指標から、不動産に対する融資の積極性を判断することができる。
では、地域別の融資比率を見ていこう。