『週刊ダイヤモンド』9月8日号の第1特集は、「まだまだあった不動産投資の罠」です。ここ数年、不動産投資ブームが巻き起こりましたが、シェアハウス「かぼちゃの馬車」問題が発覚し、スルガ銀行や不動産販売会社の不正がつまびらかとなり、一気にマーケットが冷え込みました。ですが、不動産投資は手堅くやれば安定収益を稼げる事業でもあります。そこで、かぼちゃ問題をフックに不動産投資の罠を明らかにしつつ、勝ち組メガ大家たちの力を借りて勝つための投資手法を探りました。

 スルガ銀行の不正融資は1兆円規模になるのか――。今年2月、スマートデイズ(旧スマートライフ、以下SD)が運営する、投資用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への融資をめぐり問題が発覚した。

 SDのスキームは、地方から上京してくる女性をシェハウスに誘導(客付け)して家賃収入を得る。そして、その女性たちを企業にあっせんし、企業から紹介料を受け取る。それらの収入を、一括で物件を借り上げる家賃保証「サブリース」として投資家に提供する。安定した入居者の確保に加え、サブリースによる安定した家賃収入――。その“撒き餌”に投資家たちが飛びついた。

 ところが実際は、元値の倍の値段にまでつり上げられた物件を買わされたり、実際の入居率は50%程度にまで下がっていたり、預金通帳や契約書類が改ざんされてオーバーローンを組まされていたりと、まさにぼったくりの構図。そこに深く絡んでいたのが、スルガ銀行の行員たちだった。

 この構図が破綻するのは、時間の問題だった。昨年10月、保証額の減額を突如通知され、寝耳に水のオーナーたちは大混乱に陥った。事業が回らず、破産状態に陥ったオーナーが続出。被害総額は2000億円規模を超え、「スルガスキーム」として大きな社会問題となった。

 今年5月、スルガ銀の米山明広社長が謝罪する事態に発展、外部の弁護士で構成される第三者委員会が全容の解明を急いでいる(調査報告書は8月末に発表予定で、本稿執筆の時点では未発表)。

 そして8月下旬、約30年間にわたりトップに君臨してきた創業家出身の岡野光喜会長に加え、米山明広社長、白井稔彦専務が9月中にも引責辞任すると報じられている。

シェアハウス問題に収斂
表面化した不動産投資の罠

 この問題はシェアハウスだけにとどまらない。地方の投資用物件でも同様の手口が使われた疑いが持たれている。融資審査の際に空室にカーテンを取り付け、さも入居者がいるかのように装う「カーテンスキーム」なども横行していたという。あらゆる改ざんの手を尽くした結果、融資総額は1兆円規模に膨らんだというわけだ。

 昨年6月、本誌は「不動産投資の甘い罠」という特集を組んだ。サブリースの問題点や投資用物件の非現実的な提案を一刀両断し、反響を呼んだ。不幸にして、同特集で指摘したような問題がシェアハウス問題として収斂し表面化してしまった。不動産投資の罠はまだまだあった。