要約者レビュー
「変な人」と聞くとネガティブなイメージを持つかもしれない。一般的に「変な人」とは、言動や性格が変わっている変わり者のことで、ちょっと近寄りがたい存在だろう。一方、本書『JTの変人採用 「成長を続ける人」の共通点はどこにあるのか』でいう「変な人」は、ポジティブなイメージだ。発想力が豊かであったり、普通の人とは違う視点で物事を見たりと、これからの時代を活躍できる「新しいものを考え出す力」がある人のことを指す。
本書は、JTで採用に携わってきた著者による一冊だ。著者は、「変な人」を積極的に採用してきたという。といっても本書は単なる採用ノウハウ本ではない。「おもしろい仕事をしたい」と考えている読者に向け、仕事をおもしろくする方法を指南してくれるものだ。「変な人」であることが重要である理由にはじまり、「変な人」の思考パターンや「変な人」のアイデアの出し方、そして「変な人」の育て方までが紹介される。
著者は、「変な人」の資質は誰しも潜在的に持っているものだという。奇人変人や天才肌でなくても、ちょっとしたコツをつかみさえすれば誰もが「変な人」になれる可能性を持っている。そして晴れて「変な人」になることができれば、毎日の仕事が格段におもしろく、楽しくなっていくだろう。ぜひあなたも「変な人」ぶりを発揮し、イノベーションを起こすことに挑戦してみてはどうだろうか。「変わってるね」というのは、大変なほめ言葉なのだ。(山下あすみ)