強引なトランプが
欧州、ロシア、中国を結束させた

 ロシアでは、以下のような報復を予想する声が上がっている。

 ・外交関係レベルを下げる。外交関係断絶もありえる
 ・ロシアへの融資を禁止する
 ・米国の対ロシア輸出を禁止する
 ・米国の対ロシア輸入を禁止する
 ・ロシアの航空会社アエロフロートの米国への往来を禁止する

 もしこれらの制裁が実際に科されれば、ロシアには大打撃である。こうして、米国の反ロシア派は、米ロ首脳会談の成果をぶち壊すことに成功。米ロ関係は、また最悪になった。

 さて、トランプにいじめられて傷心のメルケルは8月18日、プーチンと会談した。(太線は筆者、以下同じ)

 <独ロ首脳が会談、トランプ氏への対抗で歩み寄りか-パイプライン推進
ブルームバーグ 8/20(月) 3:56配信 
ロシアのプーチン大統領とドイツのメルケル首相は18日にベルリン近郊で会談し、シリアやウクライナ、イランの情勢や米国の関税などについて長い時間をかけて詳細に話し合った。ロシア大統領府のペスコフ報道官が明らかにした。>

 もっとも重要なテーマは、トランプが強く反対している「ノルドストリーム2」だ。メルケルとプーチンは、トランプの意思に逆らい、このプロジェクトを推進することで合意した。

<同報道官が記者団に語ったところによれば、両首脳は「ノルドストリーム2」ガスパイプライン・プロジェクトの推進でも合意した。
 トランプ米大統領は先月、ドイツが天然ガス供給をロシアに依存していることについて「ロシアに完全に支配されている」と批判したが、独ロ両首脳は「このプロジェクトを政治化するのは全く間違っている」とし、完成させるべきだとの考えで一致したという。>(同上)


 ここまでの動きを整理してみよう。

 まず、トランプが欧州諸国を非難。EUのトゥスク大統領は、中国に飛び、欧中一体化してトランプと戦うことで合意した。一方、トランプはプーチンと和解し、米ロ関係は大きく改善されたように見えた。しかし、米国内の反ロシア派が巻き返し、米ロ関係は再び悪化する。

 トランプにいじめられたメルケルと、米国反ロシア派からのバッシングに苦しむプーチンは会談し、米国に対して共闘していくことを誓った。そして中国とロシアは元々、事実上の同盟関係にある。

 結局、欧州、中国、ロシアが「反米」で一体化していく状況になっていることが分かる。これは極めて異常な事態に見える。しかし実を言うと、そう遠くない過去に同様の事態が起こっていた。