総会にかける重要な案件も
管理会社は委任状で思いのまま

「サイレント理事会」なら、理事会内で決められる事柄はもちろんフリーパスだが、総会にかけなければならない重要な案件も、実は思いのままにできる仕組みなのだ。

 カラクリは委任状である。

 サイレントマジョリティーにとっては、総会出席でさえ避けたいもの。かといって成立しなければ日常管理に支障をきたすことにもなる。

 そこで管理会社が、全てを議長に委ねる委任状を定数に達するように集める。総会が、管理会社の意のままのサイレント理事長、サイレント理事、義務感で出席するサイレント組合員がほとんどとなれば、2人や3人異議を唱える人が出席しても、「圧倒的多数」で通したい議案を通すことができるわけだ。

 自宅マンションの総会委任状をご覧になったことがあるだろうか?

 さすがに最近では、出席か議長一任の2択しかないようなものはあまりない。よくあるのは出欠届と、各議案に対する議決権行使書と委任状を兼ねた形のものだ。議決権行使書に記入しない場合、委任状の部分で議長か、または議決権を持つ組合員の誰かに一任することになる。白紙委任状よりはるかにマシではあるが、これも結局、サイレント諸氏の傾向としては、あまり考えずに、議決権行使書で全て賛成とするか、「議長に委任」に○をつける人がほとんどとなる。普段付き合いもないのに他の誰かに委任するということは、まず考えられない。

 こういうわけでサイレントマジョリティーは、管理会社にとって都合のいいマンションには欠かせない存在だが、それが区分所有者のためにベストではないことは、本連載を読んできてくださった方には明白だと思う。

 区分所有とはいえ自分の大切な資産。その価値を落とさないためには、まず理事の輪番が回ってきたら、ただ理事会に出席するのではなく、管理会社の言うことを鵜呑(うの)みにせず、特に資金の使い方には十分目を光らせていただきたい。