モンスタークレーマーと言われる人々が、教育、行政とさまざまな舞台で、難癖をつけまくる世知辛い世の中になって久しい。

モンスタークレーマーをマンション管理組合はどう撃退すべきか

 実はこの種の人々がマンション管理組合にも“生息”して、健全なマンション管理を阻害していることにお気づきだろうか?私は、長くマンション管理の健全化に取り組み、多くの管理組合と接してきたが、常々マンション管理組合は“社会の縮図”だと感じている。

 社会現象として取り上げられる、イジメや人間関係の空疎化、そして今回取り上げる「モンスタークレーマー」などはマンションにも存在し、その寿命を縮める病巣になりかねない。そこで、マンション管理組合に生息するクレーマーの生態とその撃退法を紹介する。

クレーマーが発生しやすい
マンション管理組合

 学校に対する保護者や行政に対する市民の中にもクレーマーになる人がいるように、マンションの住人にもマンション管理組合に対するクレーマーがしばしば存在する。そもそもマンション管理組合はその組織の性質上、クレーマーにとっては他の組織以上に生息しやすい環境なのだ。

 基本的に互いのプライバシーを尊重して、良くも悪くも互いを知ろうとしない傾向があること。また、会社とは異なり上限関係のない文鎮型のフラットな組織であることが、居住者をモンスター化させやすくしている。

 しかも、彼らは第三者ではなく、権利・権限を持った区分所有者である。中には、会社では反対・反論ができないために、クレーマーとなってぶつけることで鬱憤を晴らすような人にもお目にかかる。実際、一般企業ではなかなかお目にかかれないような過激な怪文書も、マンションではしばしばポストに投函されたりする。

 例えば、「理事長がコンサルタント会社から接待を受け、リベートをもらって、管理会社の変更案件を独断で進めている」といった事実無根のでっち上げビラなど珍しくもない(もっとも、このような怪文書の出所が、個人のクレーマーではなく現管理会社サイドだったなどということも起こるから恐ろしいのだが)。