この日だけ見ると、中国人9割、日本人1割といった感じだ。

「沙县小吃」
『沙県小吃』の看板

 私の反対側の隣の席は中国人の男の子2人が座り、スマホで小籠包の写真を撮影しながら中国語でしゃべっている。何を言っているのかは聞き取れなかったが、写真を撮ったあと、即座にSNSに投稿する一部始終だけは見えた。やはりこちらもおいしそうに頬張っていた。

「ひゃー、やっぱり、ここは人気店なんだ。それにしても、中国人ばかりだな」

 私は思わず心のなかでこうつぶやきつつ、自分も写真に収めた。

中国で食べたことがある
あの味

自動販売機で480円のワンタン(並盛)を購入
筆者は自動販売機で480円のワンタン(並盛)を購入した

 熱々のワンタンは確かにプリプリでおいしかった。おいしかったけれど、感動する、というほどではない。強いて言えば「中国で食べたことがある、あの味」という感じだ。

 以前の記事(「在日中国人が通う中華料理店に「有名店」がほぼない理由」)でも紹介した通り、中国人と日本人ではやはり味覚が違うのでは、と個人的には感じる。

 だが、本場的な中国の味を追い求めて、これだけ多くの在日中国人がこの店にやってきていると思うと、ちょっと感慨深いものがある。

 それだけ中国の影響力が強まっている証拠だからだ。

 ここは高田馬場なのだが、まるで中国にいるような感覚……。急増する在日中国人の客だけを当て込んでも、商売が成り立ちそうな雰囲気なのだ。

 調べてみると、同店は沙県小吃集団という中国福建省の地元企業がチェーン展開していて、その店舗数は中国全土で約6万店にも及ぶ。中国ではよく見かける軽食店のひとつであり、中国人ならば多くの人が知っているが、この高田馬場店はその海外第1号店だったのだ。