
中島 恵
日本を裏で動かす「中国人だけ」の巨大ビジネス圏、競争激化で「中国人は中国人に気を付けろ」が合言葉に
ここ数年、東京を中心に日本企業で働く中国人が急速に増えており、中には独立して起業する者もいる。彼らは日本に「中国人だけ」の巨大なビジネスネットワークをつくり上げている。気づかないだけで、彼らの存在は我々日本人の社会にも裏で大きな影響を与えている。そして今、そのコミュニティで在日中国人同士の競争がかつてなく激化しているというのだ。

中国の消費やトレンドのリーダーと言われるZ世代の若者。彼らは人口14億人の約2割、約2億6000万人いるが、SNSネイティブ、既存の考え方にとらわれないなど、30代以上の中国人とは、発想や価値観の点で異なることが多い。今回紹介する18歳のアーティスト、クロエ・チェンは、Z世代の3割の人口を占める05后(リンウーホー、2005年以降の生まれ)の一人。05后かつ富二代(富裕層の二代目)という彼女は、一体どのような生活を送っているのか。一般化して語ることはできないが、彼女へのインタビューから、今の中国の若者の雰囲気を感じ取ることができた。読者の皆さんの思う「中国人像」からも変わってきているのではないだろうか。

交通機関で泣く子ども、学校に猛抗議するモンスターペアレント……日本でもよくある話だが、中国ではこれが思いがけない方向に展開して大騒動になることが珍しくない。日本人の目から見て、信じられないほど“わがままな大人”が多いためだ。なぜ中国では、公共の場でも気にせずわがままなふるまいをする大人が増えているのか? 親子関係の問題も含め、改めて検証する。

日本人駐在員の拘束が長引くなど、日中関係には不穏な空気が漂っているが、中国人の間では今、空前の「日本ブーム」が巻き起こっている。日本アニメ『すずめの戸締まり』や『THE FIRST SLAM DUNK』が記録的大ヒットを飛ばしたことからも分かるように、彼らの日本への関心はかつてないほど高い。なぜ、中国人はここまで日本を高く評価するようになったのか。そして、日本の何に強い興味を持っているのか。

今年鉄道開業150年を迎えた日本では、今も紙版の時刻表を愛用する人が多いが、隣国・中国ではネットの発達などにより紙版は2016年に廃止された。ところが、それ以前の2014年から、日本で、日本語による紙版の「中国鉄道時刻表」を編集・発行し続けている有志がいる。日本の鉄道のおよそ8倍にも及ぶ中国鉄道13万キロメートルのすべてを網羅した詳細な時刻表と中国鉄道情報は、じわじわと日本国内の中国鉄道ファンを増やしているだけでなく、海を越えて中国の人々にも称賛されているという。

新型コロナの水際対策が緩和され、日本では急速に外国人の個人観光客が戻ってきているが、ゼロコロナ政策などの影響で中国人観光客は増加していない。だが、中国人富裕層のマーケティングや、日本企業、地方自治体に対中コンサルティングを行う在日中国系企業、行楽ジャパン社長の袁静(えん・せい)氏によると「11月上旬に政府が隔離期間の短縮を発表したこともあり、特に富裕層の旅行熱は高まっている」と言う。折しも10月中旬、高所得者しか取得できないといわれる日本行き5年マルチビザの新規発給が解禁になった。同社が行った緊急アンケートの結果を見ると、中国人富裕層が日本旅行に何を求めているのかが、浮かび上がってくる。

10月初旬、見ず知らずの在日中国人からメッセージが届いた。母親が危篤という一報を受け、厳しいゼロコロナ政策を実施する中国に一時帰国。しかし、隔離中に集団食中毒となり七転八倒の苦しみを味わったという。さらに実家に戻った翌日に、その地区がロックダウンされるという不運にも見舞われたことが書かれていた。海外に暮らす中国人として、初めて中国の隔離やロックダウンの洗礼を浴び、「報道だけでは真実は分からない、ゼロコロナがいかにひとりひとりの中国人を苦しめる政策であるかを思い知った」と話す。

今年デビュー40周年を迎え、8月末に個人事務所設立を発表した歌手・中森明菜が中国でも注目を集めている。発表当日、微博(ウェイボー)などの検索ランキングで上位となり、復活を熱望する中国人ファンの間で彼女の写真が多数シェアされた。なぜ今、中国でも中森明菜の人気が高まっているのか?

この夏、中国各地で予定されていた「夏祭り」のイベントがネット上で猛批判を受け、相次いで中止に追い込まれるという異例の事態が起きている。毎年夏から秋にかけて日中関係の敏感な日が続くが、背景には何があるのだろうか。

6月14日、香港を代表する水上レストラン「ジャンボ・キングダム(珍宝王国)」が約半世紀の歴史に幕を閉じた。大勢の人々に見送られながら、タグボートにえい航され香港を去ったが20日、南シナ海で転覆し、沈没したと報じられた。かつて大勢の日本人観光客を魅了した「ジャンボ」の盛衰を振り返る。

日本を代表するチャイナタウンである横浜中華街の老舗、聘珍樓(へいちんろう)横浜本店が5月15日、移転のため、惜しまれつつ閉店した。「横浜中華街のシンボル」的存在だった同店がこの地から消えることは、日本の中華料理界において一体何を意味するのか、考察してみた。

コロナの感染が拡大している高リスク地域を除き、中国では、コロナ禍以降、国内旅行をする人が増えている。かつて海外旅行での「爆買い」で消費されたお金が、今や国内に落とされているというわけだ。彼らは自国を旅行して、どのようなことを感じたのだろうか。また、今もし海外に行けるなら「爆買い」したいと思っているのだろうか。

中国人のマナーに対する意識が急激に変わっている。中国人のマナーはコロナ禍の数年前から良くなっており、中国をよく知る日本人の中には「以前と比べて見違えるようだ」と褒める人が多い。かつては路上でのケンカが日常茶飯事で、訪日旅行の「爆買い」ブームのときにも批判されたが、中国人は自分たちのマナーや、マナー意識の変化について、どう思っているのだろうか。

ウクライナに侵攻したロシアの国営メディアは厳しい情報統制を行っているといわれる。その一方で、SNSを通じて反戦デモが広がるなど、統制には「ほころび」もある。ロシアと同じく情報統制が厳しい中国では、人々はSNSでどこまで自由な話ができるのか。中国と日本に住む中国人に、率直な意見を聞いてみた。

日本の中華料理界に新しいトレンドが生まれている。日本の中華といえば、横浜中華街などに代表される「伝統中華」やいわゆる「町中華」、埼玉県川口市などにできた「新興中華」など、新旧いくつかの系統があるが、それらとは一線を画す、常識にとらわれない創作料理や珍しい地方料理などが続々に登場しており、急速に多様化が進んでいる。

中国でアイスクリーム市場がかつてないほど盛り上がりを見せている。特に売れているのが各地の観光名所や博物館などとのコラボアイスや、国産メーカーによる高級路線のアイスなど、数年前には全く存在しなかったアイスだ。なぜ、中国人の間で急速にアイス人気が高まっているのか?

7月1日、中国共産党は創立100周年を迎えた。盛大な祝賀イベントは終了したが、中国では共産党ゆかりの地を訪ねる「紅色旅游」(レッドツーリズム、赤色の旅行)が盛り上がりを見せており、特に最近では、若者の旅行者が増えているという。それは一体、なぜなのだろうか?

カプセルを開けてみるまで中身が分からない「カプセル玩具」。日本では1970年代から現在まで流行が続いているが、ここ数年、中国のZ世代と呼ばれる若者の間でも大人気となっている。中国で最初に開発した企業は「日本をヒントにした」としているが、なぜ今、彼らはカプセル玩具に熱中するのか。

今年もお花見シーズンがやって来た。通常であれば、お花見を目当てに大勢の訪日外国人観光客がやって来る季節だが、今年は昨年に引き続き、新型コロナウイルスの影響で外国人の姿はほとんど見られない。これまで、「お花見といえば日本」と思い、この時期に来日することを楽しみにしている中国人がいたが、出国できない今年は、中国国内でお花見ブームとなっている。中国人の間では「お花見といえば中国」という声すら聞かれ始めた。その理由とは。

新型コロナウイルスの感染がほぼ収まっている中国では、若者を中心に健康意識が高まっている。日本でも人気の『大麦若葉』などの青汁やサプリメントを飲んだり、フィットネスジムに通ったりするという新しい生活習慣が生まれ、“健康オタク”、ひいては“健康リア充”をアピールする人が急速に増えているのだ。
