経営者は福建省福清市出身の在日中国人だ。「中国の文化を日本に伝える活動をしたい」と地元企業に声を掛け、この店舗のオープンにこぎつけたという。中国の店のフランチャイズであり、看板のロゴやレシピも中国とまったく同じだ。

 並んでいる人の顔ぶれを見ると、近隣の大学生を始め、日本語学校、中国人向けの予備校、専門学校に通う中国人学生たちが多そうだ。

 このあたりはもともと学生街として有名だったが、90年代から日本語学校が増え、近年ではベトナム、ネパール人などが急増している。ミャンマー人が多いことでも知られ、ミャンマー料理店も軒を連ねているが、やはり最大勢力は、何といっても分母が多い中国人だ。

在日中国人の口に合った
店が増えてきている

 そんな多国籍な町に変貌している高田馬場~早稲田界隈が、さらに新しくチャイナタウン化しつつある。

 一体いつの間に……。私は驚きを隠しつつ、早稲田大学まで約2キロ続く早稲田通りを自分の足で歩いてみることにした。

 すると、『張亮麻辣湯』、『本格熊猫』、『蘭州牛肉麺』といった、以前は見かけなかった中国語の看板が多いことに気がついた。

 いずれもオープンは2017年から2018年にかけてで、まだ出来立てホヤホヤだ。以前、この辺には日本の有名ラーメン店や定食屋が多かったが、在日中国人の存在感が増しているのと同じように、日本的な中華ではない、彼らの口に合った店が増えてきているのだろうか。

 くしくも今夏、早大生にはなじみ深い老舗のそば屋『三朝庵』が閉店したことがニュースになったが、日本人経営の店が高齢化や人手不足などで消えていくなかで、まるで入れ替わるようにして在日中国人向けの店が続々とオープンしていることに、時代の変化を感じる。