世界経済を襲った「2008年9月15日」は、誤解を恐れずに言えば、日本列島を驚愕させた「2011年3月11日」と同じくらいに忘れられない特別な日だ。
あの日、全米第4位の投資銀行リーマン・ブラザーズが、当時最大の6390億ドルという巨額の負債総額を抱えて経営破綻した。それ以降世界に広がった銀行不信、株価暴落、景気後退、失業急増などの「悪夢の連続」から10年がたった。
回復した世界経済が抱える
「3つのリスク」
主要国における銀行支援策や積極的な金融緩和、そして中国の大胆な財政政策出動などが奏功し、世界経済はすっかり立ち直った。
日本も、当時は需要蒸発、就職氷河期といった暗鬱な言葉が飛び交う経済状況に陥ったが、堅調な海外経済に恵まれて、潜在成長率を上回る経済拡大ペースを維持している。