米国の財政と貿易の「双子の赤字」のもとで好況が続いた80年代

 ゴールデンウイーク後半になると金融市場に携わる者はそわそわする。

 なぜなら、海外市場で為替相場や株価・長期金利が大きく動くと、連休明けの取引が大変となるからだ。

 ただし、今年は海外市場でさしたる変動がなく、為替相場や東証の株価も連休前とほぼ横ばいでのスタートになった。

 特に長期金利は、日本銀行が2016年9月に導入したYCC(長短金利操作付き量的・質的金融緩和)のもとで、5月7日の午前中は業者間で取引が成立せず、午後についた利回りも0.040%の一本値と連休前とほぼ同水準だった。

 国内債券市場は1980年代後半のバブル発生とその後の崩壊、90年代後半の国内金融危機・デフレ、2000年代後半の国際金融危機、2013年の異次元緩和導入を経て、現在では1980年代前半の金利自由化以前の固定相場制に戻った格好だ。

戦後第2位の景気拡張続く米国
積極財政で赤字拡大の見通し

 世界を見渡しても「歴史は繰り返す」というか、数十年前のデジャブ(既視感)が感じられる。