政府は、世の中にお金を循環させて、景気をよくしたいと考えています。そのため、とくに投資という面で、中小企業に有利な制度を用意しています。

中小企業とは
資本金1億円以下の会社

 先ほどから中小企業、中小企業といっていますが、中小企業とはどんな会社でしょうか。

 税金面でいえば、資本金が1億円以下なら立派な中小企業です。資本金が1億円以下の会社には、次のようなメリットがあります。

(1)通常の減価償却に加えて、さらに減価償却を上乗せできる「特別償却」
(2)資産を買っても30万円未満なら、すべて経費にできる「少額減価償却資産の特例」
(3)多額の損失が発生したら、最大で10年間は税金を払わずに済む「繰越欠損金」
(4)多額の損失が発生したら、前年の法人税を取り戻せる「欠損金の繰戻還付」
(5)交際費を800万円まで経費に計上できる
(6)法人税率が優遇されている
(7)住民税が安い(数万~10万円程度安く済む)
(8)外形標準課税がかからない
(9)税務調査には税務署が対応する(資本金1億円超は国税局対応)

 これらのうち、(1)(2)については新規投資の予定があれば絶対に使うべき制度です。

 また(3)(4)を使えば、大赤字を出した際に大きなメリットを受けられます。(5)(6)はグループ会社を使うことで、その効果を最大限にできます。