中小企業やオーナー会社の一番の悩みは、稼いだお金の流出をいかに防ぐか。決算書を見るたび、せっかく稼いだお金が無策のまま税金などで流出しているのを嘆いているだけではいけない。『会社にお金を残したいなら今すぐ経費を増やしなさい』の著者に、中小企業の税金に対する考え方を聞く。

税理士は顧客のことなど考えていない

少しでも怪しいものは
クロと判断する税理士

 世の中には、常にシロかクロか、はっきりさせられることばかりではありません。クロとシロの間には、必ずグレーが存在します。

 そのグレーも、クロに近いグレーもあれば、シロに近いグレーもあります。

 税金に関していえば、経営者はクロに近いグレーをシロにしたいと考えています。私は、この願いをかなえるのが税理士の役割ではないかと思っています。

 しかし、多くの税理士は、少しでもグレーなら、クロと判断します。責任をとりたくないし、手間をかけたくないし、税務署と喧嘩したくないのです。

 節税策でも、常にシロの節税策ばかりではありません。グレーな取引は、エビデンス(証拠書類)を整えることで、シロに持っていけばよいのです。

 しかし、そうしたことをする税理士は、残念ながら少数派です。