また、関空閉鎖でとりわけ懸念されるのが、訪日外国人の消費に対する影響だ。下図にあるように、年間の関空経由での訪日外国人数は約716万人で、地震のあった北海道の新千歳空港の同約149万人を合わせると約865万人に上り、全体の約31.5%を占める。

 両空港共にLCC(格安航空会社)の発着が多く、アジアからの観光客が急増中。6月の大阪北部地震や西日本豪雨と併せて、風評被害を心配する声がそこかしこで上がっている状況だ。

関西国際空港高潮で浸水した関西国際空港の滑走路 Photo:朝日新聞社/JIJI

 17年度の訪日外国人旅行者の消費額は4兆4162億円。仮に関空と新千歳で1カ月入国者数がゼロになれば、消費額は名目GDPの約0.02%に相当する1160億円減少し、年単位で影響が及べば、0.1~0.2%程度のGDP押し下げ要因になる可能性があるとみずほ証券は分析する。

 そこに輪を掛けて不信感を募らせたのが、関空の運営のまずさだ。第1ターミナル側の滑走路や駐機場のほぼ全域が冠水したのに加え、地下に設置されていた高圧受電機6台のうち3台が浸水したため、携帯電話がつながらなくなってしまったのだ。

 さらに関空に取り残された日本人や外国人たちへは何の情報提供もない上、食料もろくになく、関空内に放置される格好となった。

 そこには、関空が大阪国際(伊丹)空港と共に44年間にわたり、民間に運営権を売却するコンセッション方式を取っており、16年4月から関西エアポートが運営している影響が少なくない。

 同社には、オリックスと仏空港運営会社のヴァンシ・エアポートが40%ずつ出資。運営権取得の対価として年間490億円を支払い続ける代わりに、これまで国が運営していた空港の付加価値を上げることで利益を得る仕組みだ。