トランプ政権がオバマ政権下で定められた
排出ガス規制を根本から覆す決定
米国ではオバマ政権下で厳しい排出ガス規制が決定され、多くの自動車メーカーは2025年までに平均燃費47mpg(17.9km/リットル)という目標値が設定された。47mpgに毎年少しでも近づけていけるよう目標は細かくステップを刻み、25年のゴールを迎える計画だった。
ところが17年にスタートしたトランプ政権は、当初から「地球温暖化はウソ」などと発言。地球温暖化防止のためのパリ協定から離脱し、世界の先進国が進める環境対策の潮流とは反対の動きを見せてきた。とくに連邦政府とは異なる独自の大気汚染防止法を設定しているカリフォルニア州に対しては厳しい態度で臨み、これまでも衝突を繰り返している。
そのトランプ政権がついにオバマ政権下で定められた排出ガス規制を根本から覆す決定を行った。20年に新しい排出ガス規制法案を現在の内容とは異なるかたちで施行する予定だという。
まだ具体的な数値は発表されていないが、長年この問題に取り組んできた非営利団体によると、トランプ政権が考えているのは47mpgの目標値を37mpg(15.7km/リットル)に大幅に後退させるプランだという。
この37mpgという数値はほぼ現在の規制値に近い。25年にかけて徐々にこの数値を上げていくのではなく、20年の時点で“規制数値を固定させるシナリオ”になっている。