2017年以降、実質GDPはそれなりに拡大しているのだが、それは、世界経済が落ち着いて純輸出と設備投資が順調に伸びているからで、依然、消費の伸びはあまり目立たない。だからトランプ貿易政策の結果など、世界経済の波乱によって容易に困難に陥る危険性がある。

選挙になると公共事業を増やす
選挙の手段のしわ寄せは社会保障に

 こうしたアベノミクスの「弱点」は、安倍政権の司令塔の官邸はとっくにわかっていたはずだ。

 それゆえ、安倍政権は下のグラフのように、選挙が近づくと公共事業を増やして景況感や株価を上げ、それによってまんまと選挙に圧勝すると、その後に公共事業を削減することを繰り返してきた(図表7)。

実質公的固定資本形内閣府GDP速報より筆者作成 拡大画像表示

 ところが財政支出の総額は維持しようとする中で、選挙の前に建設国債を発行して公共事業をするので、しわ寄せが社会保障や教育などにきて、それがますます個人消費が盛り上がらない重しになる。

 安倍政権は、選挙前はできるだけ好景気を作り、支持を得ることで、実は「改憲」をしたいと考えている。アベノミクスは選挙のための手段で、「人々(のため)」の意識が欠けている。