同書より
SNSで注目を集める漫画家の吉本ユータヌキは、コロナ禍をきっかけに仕事がほぼゼロとなり、将来への不安から精神的に追い詰められていったという。そんななか、2ヵ月かけて描いた作品を出版社に持ち込むも門前払いに……。心の中に浮かぶのは、「漫画家やめたい」の絶望ばかり。華やかなイメージの裏にある、漫画家のリアルな日常を明かす。※本稿は、漫画家の吉本ユータヌキ『「漫画家やめたい」と追い込まれた心が雑談で救われていく1年間』(集英社インターナショナル)の一部を抜粋・編集したものです。
コロナ禍で仕事がなくなり
不安で押し潰されそうに
それまで8年間活動してきて、やめたいと思うまで追い込まれたのは、はじめてのことでした。
同書より転載
少しだけ遡って話させてください。
2020年4月。新型コロナウイルスがはやり始めた頃でした。
当時、仕事の9割は、企業の新商品やサービス訴求のためのプロモーション漫画の制作で、コロナの緊急事態宣言と共に軒並み中止になり、収入がほぼなくなってしまいました。
まだ組んで1年しか経っていない家のローン、生まれたばっかりの第3子、少しずつ底に近づいていく預金残高。どうしたらいいかわからなくて、胃薬を飲みながら求人サイトを眺める毎日を過ごしていました。
それでも漫画家をやめるとは決断できず、「なんとかして漫画でお仕事を取らなければ」と悩みに悩んだ結果、創作漫画に挑戦することにしました。
それまでずっと家族との話や、自分自身に起きた面白い出来事を描いたエッセイ漫画ばかりで、創作漫画を描いたことはありませんでした。







