日本の「香害」被害者は1000万人程度、「潜在患者」を含む化学物質過敏症の疑いが濃い人は550万人――6年前に実施された大規模な疫学調査の結果を現在に引き伸ばすと、こんな深刻な状況が浮かんでくる。
日本は「香害先進国」アメリカの後を追っているようだ。
化学物資過敏症の疑いがある
「患者」は550万人程度
この調査は、内山巌雄京都大学名誉教授・東(あずま)賢一近畿大学准教授らが2012年1月に、インターネット調査会社に登録されている20歳以上の約98万人を対象に実施した(注1)。
日本の人口動態統計に基づいて無作為に抽出した人にオンラインで質問し、7245人から有効回答を得た。調査にあたっては、「QEESI=クィーズィー」と呼ばれる、自記式調査表を用いた。