アメリカでは、成人の約13%が香りつき製品にさらされて化学物質過敏症になり、約15%が職場の香りつき製品で健康を害して過去1年間に休職や退職を余儀なくされている――。
そんな「香害先進国」の悲惨な実態を明らかにした調査結果が公表され、注目を集めている。香りつき製品の成分で体調不良になった日本の「香害」被害者には、やがて日本もこのようになるのではとの不安が強い。
「化学物資過敏症患者」2600万人
約10年で3倍超に増加
この調査は、アン・スタイネマン教授(オーストラリア・メルボルン大学)らが2016年6月に実施し、今年3月までに複数の研究論文で公表した。(注1)
アンケートは、調査会社がウェブ上に持つ全米の500万人を超す登録者から、年齢・性別・地域を代表するように無作為に抽出した成人(18~65歳)1137人を対象に、オンラインで質問し、95%から回答を得た。