「ニオイ気にし過ぎ」社会が“香害”被害者を増やしている写真はイメージです

「香害」とは、消臭・芳香財などの香りつき商品の成分で健康被害を受ける人たちが急増している、新しい公害のことだ。

 被害を受けると、「化学物質過敏症(MCS)」「シックハウス症候群(SHS)」「喘息」「香料アレルギー」を発症したり、悪化させたりして、通勤が苦痛になり退職したり、学校に行けなくなったりする例が起きていることを前回、お伝えした。

 今回は、日本社会に蔓延する「ニオイ(体臭)気にし過ぎ」が、消臭・芳香剤などの大量使用を通じて被害者を増やしている実態を報告する。

「ニオイ対策」セミナー盛況
お互いに「ニオイ、大丈夫?」

「ウッ、クサい!」「うあー!」

 小瓶を鼻に近づけた参加者から次々に声が上がる。小瓶には「汗臭(あせしゅう)」「ミドル脂臭」(中年男性に特有の体臭)、「加齢臭」のサンプルが入っている。

 男性用化粧品大手のマンダムが開いている「においケアセミナー」で、いつも見られる場面だ。