新鮮でオリジナリティのある言葉で伝えよう

 リーダーが部下たちに伝えるとき、どんなことに留意しなければいけないか。

 私は、次の5つのことについて気をつけている。

1 自分の言葉で語る

 トップは、さまざまなことを社員に伝えなければいけない。
 創業者がすぐれているのは、社員に訓示をしたり発破をかけたりするとき、必ずみずからの言葉で語ることだ。

 トップみずからの言葉で語ると、トップみずからの思いが社員の心に響くのだ。
 そこそこ組織が大きくなると、社長室とか経営企画部とかがしゃしゃり出てきて、社長のメッセージを代筆することがよくある。
 これでは、なかなか社員の心に届くようなものにはならない。
 トップには、トップしかもちえない夢とか危機感とか思いとかがある。
 そのことは、トップ以外のひとには、100%理解できないところがあるのだ。

2 心に刺さる言葉と話し方で表現する

 どうすれば、ひとの心を打つか。
 どうすれば、ひとを自分が考えている方向に進ませることができるのか。

 それには、ひとの心に刺さる言葉を選び、ひとを感動させる話し方をすることが大事だ。
 だが、なかなかそうはならない。
 誰もが、最初から「伝える」プロではない。

 しかし、プロに近づく方法は存在する。
 情報の受け手の気持ちになることだ。
 受け手の身になって、受け手がどんな言葉に、どんな話し方に心が動くのか推し量ってみると、少しずつプロへの道が見えてくる。