数を絞りこみ、繰り返し、近寄って伝えよう

3 情報を絞りこむ

 次章でも詳しく述べるが、あることを伝えようとするときは、そのことと関係のない余計な情報を伝えないことが大事だ。

 情報の受け手にすれば、一度に大量の情報を得ても、すべて消化吸収することは困難だ。 伝える側は、これだけは伝えなければいけないということだけに絞りこむべきだ。
 余計な情報は、大事な情報を駆逐してしまう。

4 繰り返し何度も語る

 トップは、夢や経営方針、重要な戦略など、大事なことは繰り返し何度も語らなければいけない。
 組織のなかには、さまざまな情報があふれている。
 あふれているから、トップからの情報であっても、多くの情報のなかで埋もれてしまうことがよくある。
 そして、何より社員たちは、無意識のうちにトップの本気度を測ろうとする存在である。
 ある方針について、トップが一度だけ語ったとする。聞いた社員たちはそのトップの考えをちゃんと知るにいたる。
 しかし、それは知るだけに終わることが多い。

 トップの話のとおりに行動するところまではいかない。
 トップが方針について繰り返し何度も語ることによって、社員たちはただ知る段階から、「社長は、このことについて本気なのだ!」との理解と行動にいたる。
 行動すべきかどうか、社員たちはトップの本気度で決めるのだ。

5 2メートル以内で語る

 現場長を一堂に集めた大きな会議で、社長が経営方針なり重要な戦略について語る。 このことは、情報を一度に大勢のひとに伝えるという点において、とても大事なことである。
 しかし、さらに現場長にその情報を理解してもらうには、もう一歩踏み出した情報の伝え方が必要だ。
 現場を回り、現場の社員たちと直接コミュニケーションをとることがその第一歩になる。
 できれば、2メートル以内で対面して語り合うのが最もいい。

 大きな会議を3回開催するより、一度でも2メートル以内のコミュニケーションをとるほうが、はるかにトップの考えが伝わるものだ。

☆ps.
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