ここ1年で急速に注目を浴びるようになったキャッシュレス決済。その最前線を週刊ダイヤモンド9月29日号第1特集「乗り遅れるな! キャッシュレス」でレポートしました。政府がキャッシュレス決済比率の目標を掲げ、金融以外の異業種から参入が相次いでいます。一体何が起こっているのでしょうか。特集でレポートした一部を、ダイヤモンド・オンラインで特別公開します。

キャッシュレス決済に金融以外の異業種が続々参入する理由現金主義が強いと言われる日本だが、インバウンドの急増で中国からキャッシュレスの波が押し寄せ、大きな変化を迫られつつある。 REUTERS/アフロ

 東京・銀座6丁目のラグジュアリーな複合商業施設、GINZA SIX。9月上旬、この建物内にある話題のワークスペース「WeWork」にオフィスを構えるペイペイでは、今年秋のサービス開始に向けて急ピッチでシステム開発が行われていた。日本だけでなくインドなどさまざまな国籍のメンバーが一緒に働く社内には、英語が飛び交っている。

 ペイペイは、ソフトバンクとヤフーが共同出資して立ち上げたスマートフォン決済サービスを手掛ける企業だ。ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資したインドのスマホ決済サービス最大手のPaytmが技術ノウハウを提供しており、まさにソフトバンクグループの総力が結集されている。

 ペイペイの中山一郎社長は、「中国やインドの動きを見れば、キャッシュレス化は世界のムーブメントだ」と言い切る。