そんな世界の潮流に乗り遅れまいと、ここ数年でキャッシュレス決済(QRコードやバーコードを使ったスマホ決済)への新規参入が相次いでいる(下表参照)。従来、キャッシュレス決済の主役はクレジットカードや電子マネーだが、新規参入する企業が狙うのはスマホ決済の分野。それは、参入障壁が低いからだ。米ITジャイアントのアマゾンも満を持して8月に参入し、この分野は大活況を呈している。

 今年4月、経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」を策定し、2025年の開催を目指す大阪・関西万博に向けて日本のキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げる目標を掲げた。政府がキャッシュレス化を積極的に後押しすると表明したのだ。それが各社の動きを加速させている。

インバウンド急増と人手不足が迫る
キャッシュレス化

 なぜいまキャッシュレス決済が注目されているのか。大きく二つの要因がある。

 一つ目は外的要因だ。上図で示したように、日本のキャッシュレス化は他の国と比べて遅れている。キャッシュレス比率が最も高い韓国は89.1%に達しており、中国も60%に上る。それに比べて日本はわずか18.4%しかない。

 背景には、日本の治安の良さや現金決済インフラの充実がある。日本は治安がいいので現金を持ち歩いても安全であり、偽札もほぼない。かつ至る所にATMがあり、いつでも現金を引き出すことができる。それ故に他国と比べて現金決済の比率が高いのである。